【宮古・八重山】大型で強い台風6号が最接近した先島諸島では23日、倒木や看板の破損などの被害が出た。同地域に暴風警報が発表されたのは21日。宮古島市では避難所生活が3日目に突入し、疲れた様子の高齢者の姿も見られた。石垣市では多くの店が休業する中、開いている一部の店に食料品を求める客が駆け込むなど、長期化する台風に市民は翻弄(ほんろう)された。
宮古島市役所に開設された避難所では、毛布を掛けて横になる高齢者や疲れた様子でテレビの台風情報を見つめる市民の姿も。妻と2人で来たという亀浜尚紀さん(71)は「自宅が木造で長時間の暴風に耐えられるか心配」と不安な様子。強い吹き返しが心配といい「今夜もここで過ごしたい」と話した。
21日から避難所で過ごす60代女性は「台風が来たら停電する地域に住んでおり、一人で家にいるのは怖い」。自宅が停電しているという杉本和彦さん(55)は「テレビも見られずスマホも充電できない」と嘆く。避難所で一夜を過ごすか検討中とし「早く過ぎてほしい」とうんざりしていた。
石垣市では台風が停滞し、自宅に保管していた食べ物が底を突いたと嘆く声もあった。
飲食業の小泉安秀さん(64)は徒歩で開いているスーパーを探し回り、ようやく店にたどり着いた。だが買えたのはスナック菓子や缶詰など。「1人暮らしなので事前に多く買い込まなかった。こんなに足が遅い台風だと思わなかった」と疲れ切った表情。店主の宮川悟さん(65)は「弁当や総菜は出しても出しても間に合わない。心苦しいが、昼前には完売した」と語った。